鈑金塗装の仕事内容とは?やりがいや作業の流れについても解説

多くの方は「鈑金」と「塗装」を1つのものとして考える傾向がありますが、自動車の場合、同じ作業に思えて実は作業内容が異なります。
今回は「鈑金」と「塗装」の仕事内容の違いや仕事のやりがい、おすすめの資格について解説します。

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「鈑金」と「塗装」のそれぞれの仕事内容とは?

鈑金は車体のへこんでしまった部分を元通りに修復することをいいます。一方、塗装は車体の剥げてしまった部分を元通りに塗り直すことをいいます。

鈑金の仕事内容

鈑金は、事故により車が損傷もしくは凹んだ場合に形を整えて修理することです。
修理方法としては、外板パネルをハンマーやドリー(当て盤)を使用しつつ、叩いたりならし作業をしたりしながら修理部品を整えていきます。
他にもパネルの凹みを表側から引っ張る「引き出し作業」も駆使しながら、ボディの形状を整える方法もあります。
さらに、外板パネルの損傷があまりにも激しい場合には「パーツ交換」を行うケースも考えられます。

塗装の仕事内容

塗装は、鈑金によって形を整えたボディに対して調色した塗料を塗り、周囲の色合いと同調させて美しく仕上げる仕事です。
塗装工程には、塗装の下準備である「下地工程」や現状の車体色と同じ色に仕上げる「塗装工程」、凹凸やボディ表面のゴミを除去して綺麗に仕上げる「磨き工程」の3つがあります。

鈑金塗装が必要な場面はどんなケース?

鈑金塗装が必要なケースは具体的に以下の4つです。

  • 車にひっかき傷・こすり傷がついている
  • 車に凹み傷がついている
  • 車が色あせしている

事故を起こしたり何かに擦ったりしたして塗装が剥がれた場合に、修理せずにそのまま放置しておくと、空気が裂傷に触れて錆を進行させてしまう可能性があります。そのため、事故により修理が必要な場合には、鈑金塗装を行うことが重要です。

鈑金塗装の作業の流れ

鈑金塗装の作業の流れは、大きく分けると以下の3つです。

  • 手順1.鈑金作業
  • 手順2.下地作業
  • 手順3.塗装作業

手順1.鈑金作業

まずは、車体についている傷の大きさや深さを確認します。表面と裏面のどちらからの対応が良いかも併せて確認することが重要です。

確認後、ボディが凹んでいる場合は、ハンマーなど専用工具を用いて裏から叩いたり、表から引っ張ったりして凹んでいるボディを引き出します。

その後の作業で塗装する色を確認するために、機械でカラー配合データの有無を確認する場合もあります。

手順2.下地作業

ボディの凹みを引き出せたら、塗装面を剥がしてパテを埋め込む作業に移ります。パテを平らにする作業は、修理後の仕上がりに大きく影響するため高度な技術が必要です。

パテが乾燥したら、完成後の見た目を良くするために、表面が滑らかになるよう慎重に研磨作業を進めます。
ある程度削れたら、鈑金塗装士が自らの手で直接触って、形や位置に違和感がないか確認します。

手順3.塗装作業

パテを埋め込んだ場所に下地・中塗り・上塗りと、塗装を繰り返していきます。塗装作業は3~4回に分けて行い、層を形成させることが大切です。また、塗装の際は他の箇所に塗装がかからないよう、塗装箇所の周囲に養生テープやビニールシートでマスキングをする場合もあります。

上塗りが終わり、ボディの表面が乾燥したら、傷を消すためにコンパウンドで仕上げの磨きを行うことが重要です。

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鈑金塗装の仕事のやりがいとは?

鈑金塗装は、自動車内部の整備を行ういわゆる自動車整備士と違い、実際に目視で確認できる外側の部分の修理にたずさわる仕事のため、お客様からも感謝されることが多く、やりがいを感じること間違いなしです。

また、自分の技術力と知識を活用しコツコツと作業することで、車が修復されたときの達成感はたまらないものでしょう。知識と経験を積むほどスキルアップに繋がり、できなかったことができるようになるため、それが仕事のモチベーションにもなります。

鈑金塗装は資格がなくてもできる?おすすめの資格は?

鈑金塗装の仕事は、資格が求められるわけではありませんが、「1人前」と認められるまで約10年もの長い歳月が必要になるともいわれています。そのため長年、知識や技術を磨き続け、経験を積み重ねていくことで「鈑金塗装士」としての価値が向上するのは間違いないでしょう。

ここでは、鈑金塗装の仕事におすすめの資格をいくつかご紹介します。

自動車整備士資格

自動車整備士資格は1級・2級・3級・特殊整備士の4種類あり、自動車の点検や修理、メンテナンス、分解などの作業を行うために必要な国家資格です。
鈑金塗装士には特に、分解整備を行える2級以上の資格取得がよいでしょう。

自動車車体整備士資格

自動車車体整備士資格は、自動車のフレームやボディなど車体に関する知識や技術を証明する国家資格です。車体の外側を中心に整備や修理、点検を行えるため、この資格も鈑金塗装に役立つ資格といえます。

塗装技能士資格

塗装技能士資格は木工塗装作業・金属塗装作業・建築塗装作業・噴霧塗装作業・鋼橋塗装作業など様々な種類に分かれていますが、自動車業界の場合、金属塗装作業が該当します。
1級、2級、3級が存在するれっきとした国家資格で、素地調整やパテ付け、研ぎ、吹き付け塗装など金日々の仕事で求められる技能を実技をとおして学べます。

まとめ

鈑金塗装は今後も需要があり、知識と経験を積むほど価値が生まれる仕事です。また、多くの知識と経験を積みながらスキルアップをしていける楽しみとやりがいも感じられる仕事になります。
損傷した車を元通りにした時の達成感とお客様からも喜んでもらえると「また、頑張ろう」という気持ちにもなるでしょう。

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