整備士への就職や転職を目指す方のなかには、どのように面接対策を準備すれば良いかわからない方もいるでしょう。そこで、こちらの記事では、自動車整備士の面接においてよくある質問例や面接の基本的な流れについて詳しくご紹介します。
面接時に押さえるべきマナーもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
面接の流れとマナー

面接でのよくある質問をご紹介する前に、まずは面接の流れに沿って気をつけておくべきマナーについて解説します。以下の流れで説明します。
1.会場に向かう
面接当日は、交通機関のトラブルなどによって予定どおりに移動できない可能性もありますので、時間に余裕を持って行動するよう心がけてください。10分前を目安に会場に到着するように動きましょう。
面接会場に早めに到着した場合は、スムーズに移動できるようにビルの入り口やエレベーターの位置を事前に確認しましょう。それでも時間が大幅に余る場合は、ビルの外のカフェなどで面接に向けた準備をして過ごしてください。
2.来社を伝える
来社を伝えるタイミングは5分前がベターです。5分以上早く伝えてしまうと、面接官の業務を妨げてしまう可能性があり、「相手の立場に立って考えられない人」という印象を与えてしまいます。
3.面接室への移動から着席
面接室に、すでに面接官がいる場合といない場合で対応方法が異なります。
ただし、以下で説明する作法も昨今あまり見られなくなってきており、はじめからフランクに接してくれる企業も多いため、必ずしもこのとおりとは限りません。状況に応じて臨機応変に対応するようにしましょう。
面接室に面接官がいる場合
次の流れが基本です。
- ドアを3回ノックする
- 反応を確認し、「どうぞ」と言われたら、「失礼します」とドアを開けて、お辞儀をしたうえで入室する
- ドアのほうに体を向けてドアを閉める
- 「◯◯と申します。本日はよろしくお願いいたします」と簡単な自己紹介をする
- 「お座りください」と言われたら、着席する
面接室に面接官がいない場合
面接官がいない場合は、次の流れで対応してください。
- 面接室に入る
- 案内係に「お座りください」と伝えられない限り、一番入り口に近いイスの横で立って待つ
- 面接官が入室したタイミングで「◯◯と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶する
- 「お座りください」と言われたら、下座のイスに着席する
4.面接を受ける
面接を受ける際に重要なのは「ハキハキと明るく受け答えすること」です。これまでの略歴をはじめ、転職理由や志望理由についても、わかりやすく話せるように事前準備を怠らないようにしましょう。
5.面接終了
面接が終了したら、その場で立ち上がり「ありがとうございました」とお礼を伝えましょう。挨拶をしてから退室します。
面接官が出口まで見送ってくれるケースも少なくありません。その場合は、重ねてお礼を伝え、深いお辞儀をしてから帰るようにしましょう。
整備士の面接でよくある質問と回答例

ではさっそく、整備士転職の面接でよくある質問例をご紹介します。
質問1.多忙なときに、どのように接客と整備業務の優先順位をつけていますか?
このような質問をする際は、以下のスキルがあるかを確認しています。
- 接客の優先順位をつけるスキル
- 状況の説明と待ち時間をしっかりと伝えるスキル
- 顧客に対し遅延の理由を説明するスキル
▽回答例
整備工場が混雑している際は、お客様に対応する順番を公平だと感じてもらうためにも、受付した顧客順に対応するよう意識しています。
質問2.車の故障や傷の程度を特定した経験はどの程度ありますか?
このような質問は、次のような項目を確認するために行われます。
- これまでの経験やスキルを把握しているか
- 修理のプロセスについて理解しているか
- より多くの車種を対応する意欲があるか
▽回答例
これまでドイツの○○社の修理や整備を請け負う工場に3年ほど勤務していました。他のメーカーの整備経験はありませんが、これから修理方法や整備方法について勉強していきたいと考えています。
質問3.仕事で診断ミスをしてしまった場合、どのように対処しますか?
このような質問は、次のようなスキルがあるかを確認するために行われます。
- ミスを正直に認めるスキル
- ミスや誤りを挽回しようとする姿勢
- 問題を特定するための洞察力や注意力
▽回答例
作業中や作業後に何かしら問題が発生した場合は、自分の作業内容を振り返ります。自分のミスが原因だと判断したら、すぐ先輩や同僚に伝えます。自分で対応できるものであればそのまま対応しますし、解決が難しい場合は上司や先輩の指示にしたがって対応していきます。
整備士の面接でのNGな回答例

面接ではさまざまな質問をされますが、回答の仕方次第で、面接官の印象を大きく左右します。
- 志望動機に主体性がない
- 前職の退職理由がネガティブである
- ギャンブルなどマイナスな印象を与える内容
上記のようなパターンの場合、転職に対する熱意を伝えられずに、残念な結果につながりかねません。特に、志望動機に主体性がない場合は要注意です。応募先の企業に入って挑戦したいこと、どのように貢献できるかを具体的に伝えるなどして、仕事を主軸にした志望動機をまとめていきましょう。
面接で好印象を与えるためのポイント

面接の際に良い印象を与えるために意識したいポイントは、次の3つです。
面接連絡の電話に対しても気を抜かない
面接前や面接後の合否について、電話連絡をする機会がある場合の対応の仕方も注意が必要です。電話だからといって気を抜いてはなりません。
電話でスムーズに会話ができるよう、通信環境の良いところで会話をすること、そして出先や取り込み中で電話に出られなかった場合は、落ち着いて話せる状態になってからすぐに折り返しましょう。
面接官の目を見て笑顔で対応することを心がける
面接中は誰もが緊張してしまい、笑顔がなくなりがちです。しかし、表情が硬くなることであなた本来の魅力を伝えられないかもしれません。
そのため、面接中は面接官の目を見て笑顔で対応することが大切です。少し口角を上げるように意識し、笑顔を心がけていきましょう。
逆質問で積極性をアピールする
面接の最後には、ほとんどのケースで「何か質問はありますか?」と面接官から質問されます。その際に「特にありません」と質問を終わらせるのではなく、業務内容に関する質問や入社までに準備すべきことなどの質問をし返すことで、意欲的な姿勢をアピールできるでしょう。
当日の持ち物や身だしなみについて

最後に、用意しておくべき持ち物と身だしなみについて解説します。
当日の持ち物
面接当日に必要な持ち物は次のとおりです。
- A4サイズが入るかばん
- 履歴書や職務経歴書などの応募書類(面接当日に提出が必要な場合のみ)
- 応募書類のコピー
- クリアファイル
- 筆記用具
- メモ、手帳
- 腕時計
- 財布、現金、交通系ICカード
- ハンカチ、ティッシュ
- 求人票
- その他応募先の企業から指定されたもの
スマートフォンでも時間の確認やメモができますが、マナー違反だとする企業も少なくありません。
当日の服装・身だしなみ
面接時の服装は、スーツが基本です。濃紺かグレーのスーツに白シャツ、ネクタイをつけて、黒か茶系の革靴を用意します。冠婚葬祭用のスーツやネクタイの着用はNGです。かばんのタイプや素材は特に気にしなくても問題ありませんが、ビジネスバッグかどうかだけは必ず確認してください。
また、結婚指輪以外のアクセサリーはつけず、髪色も黒色にするなど、清潔感を意識しましょう。
まとめ
これから整備士を目指す方たちや整備士としてさらなるキャリアアップを目指して転職を希望する方たちに向けて、自動車整備士の面接においてよくある質問例や面接の基本的な流れについて詳しくご紹介しました。
事前準備を念入りに行うことで、自信を持って面接に臨めるでしょう。特に、志望動機や自己PRなどのアピールポイントについては、念入りに準備をし、考えをまとめるよう努めてください。