【例文あり】整備士の自己PRの書き方をケース別に紹介|作成時のNGポイントなども徹底解説

整備士の自己PRは経験や資格、価値観などによってアピール方法が異なります。そのため、企業と自身をよく知り自己PRを書く必要がありますが、どのように書くのかわからない方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、整備士の自己PRの書き方をご紹介します。ケース別の例文もご紹介しますので、整備士の自己PRの書き方に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

自己PRとは

自己PRのPRとは「Public Relations」の略で、企業に自身の強みや得意分野、専門性を伝えることです。自己PRの内容は曖昧な表現ではなく、数値や事例を交えて具体的に説明する必要があります。このように、自己PRは自身を売り込むことですが、面接で聞かれる自己紹介や長所とは分けて考えましょう。

整備士の自己PRは何を書くべき?企業が重視するポイント

自己PRにおいて企業が重視するポイントは、以下のようなものがあります。

  • 重視するポイント1.経験やスキル
  • 重視するポイント2.価値観
  • 重視するポイント3.人柄

経験やスキル

転職では、ポテンシャル採用が重視される新卒採用と違い、経験やスキルに重きが置かれる傾向にあり、それは年齢が上がれば上がるほどその傾向が強くなります。
経験年数や担当してきた業務内容が大きな武器となるため、自身の経験やスキルを明確にすることが大切です。

価値観

企業は、応募者が自社の価値観とマッチしているかどうかを必ず見ます。そのため、自身の価値観はどういったものなのかを深堀りし、そのことを自己PRに含めるとよいでしょう。

また、自身の価値観を理解するには「仕事上大切にしている考え」の振り返りがおすすめです。さらに、周囲からの評価も参考にすると、客観的な意見を得られます。

人柄

自己PRではスキルや価値観だけではなく、応募者の人柄も重要視する企業は少なくありません。そのため、自身の人柄もあわせて分かるような内容にすると、一石二鳥です。
「自分には良いところなんかない!」と思う方は、自身の性格のネガティブな部分をポジティブ変換するとよいでしょう。

整備士の自己PRの書き方3ステップ

整備士の自己PRの書き方には3ステップあります。ステップに沿って書き進めることで、わかりやすい自己PRを完成させることができます。

STEP1.「自分のスキルを企業の業務内容にどう活かせるか」を具体的にする

以下の観点で考えてみるとよいです。

  • 勤務経験のある企業
  • 整備経験のある車の種別
  • 携わった整備以外の業務
  • 経験のある整備業務

詳しく思い出すには過去の履歴書や仕事ノート、勤務経験のある企業のホームページなどを確認しましょう。

STEP2.「企業の雰囲気・社風などの価値観に自身が合うところ」を具体的にする

以下の観点で考えてみるとよいです。

  • 「効率的な業務方法」「わかりやすい説明」「常に問題意識を持つ」など、自身が仕事をするうえで、大切にしていること
  • 「専門書を読む」「最新の情報を入手する」「先輩から技術を学ぶ」など、日頃から取り組んでいること

価値観のなかには無意識に心がけていることもあるので、一つずつじっくりと振り返りましょう。

STEP3.「仕事の実績だけでなく、自身はどのような人柄なのか」を具体的にする

以下の観点で考えてみるとよいです。

  • 「協調性がある」「忍耐力がある」「行動力がある」など、周囲から言われる自身の性格を書き出す
  • 自身の性格でネガティブな部分をポジティブに言い換える

1つ目は同僚でも家族でも問題ありませんので、身近な人に自身の性格について正直に答えてもらいましょう。2つ目は、具体例を挙げると「口下手=聞き上手」「飽きっぽい=好奇心旺盛」「優柔不断=慎重」などがあります。

整備士の自己PRの書き方のコツとは?

整備士の自己PRの書き方のコツは、わかりやすく簡潔に書くことです。そのため、ただアピール内容を羅列すればよいものではありません。
以下では、具体的な書き方のコツをご紹介します。

主張→根拠→具体例→結論に沿って書く

自己PRはまず「主張」から始め、何を伝えたいのかをはっきりさせます。その次に「根拠」を伝え、「主張」に説得力を持たせるようにしましょう。

さらにその下に「具体例」をもってくると、採用担当者が話の内容を理解しやすくなり、最後に「結論」としてもう一度「主張」の内容を伝えると、論理的かつ分かりやすい自己PRになります。

数字を効果的に使う

抽象的な表現をするのではなく、データや数値、成果などで表現すると説得力が増します。そのため「よい結果を残せた」ではなく「10%売上に貢献した」などと表現しましょう。

ただし、企業によって数字の基準が異なる可能性があります。このことから「どのくらいすごい成績であるか」もわかりやすく伝えましょう。また、パソコンで自己PRを作成する際は、数字は半角か全角かで統一します。

整備士の自己PR作成におけるNGポイント

整備士の自己PR作成において、NGポイントがあります。自己分析ができていないまま作業を進めたり、急いで作成したりすると陥ることがあるため、事前にNGポイントは押さえておきましょう。

自己PRの内容が薄い

自身をしっかりと振り返られていないと、自己PRが薄くなってしまいます。自己PRが薄いと感じたら再度自己分析し、アピール内容を深掘りしましょう。

または、自己PRに肉付けしてボリュームアップを図ることもできます。ただし、情報量を増やしすぎると内容がまとまらないので注意が必要です。

自己PRの内容が履歴書と面接で異なる

履歴書と面接で自己PRの内容が異なると、採用担当者は「この人が言っていることは本当なのだろうか?」と、応募者に対して不信感を抱きます。また、応募者のイメージを定めづらくなり、インパクトにも欠けてしまいます。そのため、履歴書と面接とで自己PRは一貫させたほうがよいでしょう。

【パターン別】整備士向け自己PRの例文

整備士向けの自己PRは、パターンによって内容が異なります。たとえば経験や資格の有無、学歴や価値観などです。そのため、自身にあった内容で自己PRを作成する必要があります。

この章では、整備士向け自己PRの例文をパターン別にご紹介しますので、自身の状況と照らし合わせて確認してみてください。

経験・資格有無別

経験有無や資格有無、学歴のパターンごとに自己PR例文を紹介します。

未経験・資格あり

整備士の仕事は未経験ですが、資格があるケースの例文は以下のとおりです。

例文ポイント
幅広く技術を身につけられる「規模の大きい整備士工場」を探していました。そして、今回の求人を見つけ、こちらで働きたいと強く思って応募しました。さりげなく企業の魅力を表現することで、企業側に好印象を与えられます。
事前説明会の際に工場を見学しました。従業員のかけ声に活気があり、清掃が行き届いた工場の様子を見て貴社で働きたいと強く思いました。「なぜこの会社がよいと思ったのか」を具体的に説明できます。

自身がよいと思った企業の魅力や、気に入った理由などを織り交ぜて自己PRをつくりましょう。

未経験・資格なし

整備士の仕事は未経験で、資格もないケースの例文は以下のとおりです。

例文ポイント
以前より車が好きで、プライベートでよくタイヤ交換や手入れをしていました。整備をしている時間は楽しく、夢中になっていることがよくあります。このことから、私は整備士に向いているのではないかと思い、思い切って就職することを決めました。「車が好き」「整備が得意」などの気持ちを伝えられます。
事前説明会では、未経験で無資格の方がスキルアップし、活躍されていると伺いました。このお話に勇気をいただき、貴社で働きたいと思いました。自身も貴社に末永く貢献できるよう、成長していきたいと考えています。「仕事を続けられそう」「貢献してくれそう」などの印象を企業側に与えられます。

整備士の仕事が好きであることは重要なので、企業側に伝わるよう自己PRを作成しましょう。また、好きなだけではなく仕事として貢献できるかどうかも、アピールポイントです。

経験あり・資格あり

整備士の仕事は経験があり、資格もあるケースの例文は以下のとおりです。

例文ポイント
以前の職場では、責任のある仕事を任されていました。やりがいがあり、充実した毎日を過ごしていましたが、家庭の事情で休日の調整が必要になりました。そのため、スケジュールの合う貴社で、自身の経験とスキルを活かしたいと考えております。会社を辞めた理由を誤解なく伝えられ、転職先の企業で貢献する気持ちをアピールできます。
整備士業務の経験はタイヤ交換やオイル交換、電子装置整備や燃料整備などがあります。あらゆる業務を経験しているので、臨機応変な対応が得意です。今までの経験を活かして転職先の企業で、どのような貢献ができるのかアピールしましょう。

退職理由を聞かれる可能性は高いので、こちらから伝えると企業側に信頼感を与えられるでしょう。また、転職後も企業に貢献する意思をしっかりと示すことが大切です。

異業種からの転職

異業種からの転職のケースの例文は以下のとおりです。

例文ポイント
前職の事務職では、計算やチェック作業にミスのないよう、細心の注意を払って取り組んでいました。この経験は、整備士の仕事でも発揮できると考えています。異なる業種でも、前職と共通する業務への取り組み方をアピールできます。
異業種からの転職なので、最初はわからないことが多いかと思います。それでも一日も早く仕事を覚え、貴社のお客様に信頼してもらえるよう精一杯取り組みます。頑張りや熱意を伝えることで、異業種からの転職でも、企業に貢献できると企業側にアピールできます。

異業種からの転職は、不利に思われるかもしれません。しかし、前職の経験や貢献できる内容、熱意などをアピールすれば企業側に伝わります。しっかりと自己分析をして、自己PRを完成させましょう。

高卒

高校卒業後、整備士として働くことは可能ですが、資格を取得するには実務経験が必要です。そのため、実務経験を積み上げていく熱意を伝える例文が効果的でしょう。例文は以下のとおりです。

例文ポイント
整備士の資格を取得するために、貴社で実務経験を積み重ねたいと思います。資格が取得できましたら、お客様に喜んでいただけるよう、技術を磨いていきます。未経験ではありますが、整備士の資格を取得し、その後も技術を磨く向上心が伝わります。

上記を押さえたら、あとは未経験・資格なしのパターンと同様に熱意を伝えましょう。

経験の有無以外での自己アピール

整備士の自己PRは経験の有無だけではなく、価値観や人柄も大きく関係します。そのため、素晴らしい功績や経験がなくても、十分アピールできる可能性があります。

自身の価値観

自身の価値観をアピールする例文は以下のとおりです。

例文ポイント
整備士はお客様の安全に関わるので、責任重大な仕事です。そのため、お客様が安心して自動車に乗れるよう、常にミスがないか十分な整備を実施しています。「自身の大切にしている考え」や「常に意識していること」をもとに、実際に取り組んでいる行動を伝えると効果的です。
学生の頃、6年間水泳に取り組んでおり、全力で打ち込む苦しさと喜びを知ることができました。この経験から学んだことを、整備士の仕事にも活かせると考えています。自身の経験から得た価値観を伝え、この経験を整備士につなげられることをアピールします。

価値観だけではなく、価値観をもとに取り組んでいる行動をアピールすることも大切です。
自身の人柄をアピールする例文は以下のとおりです。

例文ポイント
周囲の人から、仕事が丁寧だとよく言われます。実際に丁寧な仕事を心がけており、お客様からも感謝のお言葉をいただいた経験もあります。また、丁寧さだけではなくスピードにも意識を向けているので、納期に遅れたことはありません。丁寧な仕事ぶりだけでは、スピードを指摘される可能性があります。そのため、懸念される点は事前にカバーしておきましょう。
整備士の技術は日々進歩しているので、自発的に専門書を読んで勉強しています。また、自身の技術も衰えないよう、研究や練習を続けています。「向上心がありコツコツ努力ができる」ことをアピールできます。

長所を述べたはずが、懸念点を指摘される危険性もあります。そのため、企業から懸念されそうなポイントは事前にカバーしておくとよいでしょう。

企業からの評価を下げてしまう自己PR

企業からの評価を下げてしまう自己PRにしないためにも、次の点には注意しましょう。

  • 注意ポイント1.文字数を多くしすぎない
  • 注意ポイント2.内容が具体的でない
  • 注意ポイント3.自己PRの使いまわし
  • 注意ポイント4.アピールが自慢話になっている

具体的にアピールとなるエピソードやスキルなどは客観的な視点から作成することが大切です。自分では良いと思った自己PRでも、企業側からすれば評価が下がる要因になることがあります。自分の評価を下げない自己PRを作成しましょう。

文字数を多くしすぎない

自己PRを書く際は、文字数を多くしすぎないことが大切です。採用されたいといった意思があっても、ボリュームのある文章を書いてしまうと採用担当者の負担になります。加えて、自分が伝えたい内容が伝わりづらくなるため、簡潔な言い回しを検討しましょう。

たとえば、改行や句読点を上手く使い、箇条書きなどを活用しつつ、文字数を調整すると読みやすい文章になります。

内容が具体的ではない

内容が具体的ではない場合は、評価が下がる可能性があります。たとえば、「真剣に取り組んできた」ことは当たり前でアピールポイントとはなりません。また、「これまで培ってきた経験や技術を活かし」という言葉だけでは、何の経験や技術を培ってきたのか採用担当者には伝わりません。

具体的にどのような経験を積んできたのか、どのような業務に活かすのかを明確にすることが大切です。そのため、根拠となるエピソードを添えた上で、できるだけ具体的に書きましょう。

また、個性を感じられない内容は印象に残りにくいため、どのような思いや工夫を行いながら業務を行ってきたのかアピールすることを推奨します。

自己PRの使いまわし

自己PRの使いまわしは厳禁です。自己PRは、自分の経歴やスキルなどを、応募先の企業にどのように役立てられるのかといったポイントをアピールするものです。企業ごとに規模や事業内容、経営理念などが異なります。そのため、応募先の企業ごとに自己PRの内容は変更しましょう。

また、使いまわしの自己PRは見抜かれます。時間や手間がかかったとしても、使いまわしの自己PRは避けることを推奨します。自分の熱意や意欲が伝わりにくくなるため、採用から遠ざかるといえるでしょう。

徹底した企業研究を行い、自分が応募する企業に適した自己PRを用意することが大切です。

アピールが自慢話になっている

アピールが自慢話になってしまっている場合は、人物評価を下げてしまいます。そのため、「どのように取り組んで実績を挙げられたのか」「自分の経験をどのように活かせる」かを具体的に伝えましょう。
加えて、アピールできる実績があっても書き方や言い方によっては、ただの自慢話と企業側に受け取られる可能性があります。客観的な視点から事実を述べることが大切です。

また、仕事の速さに関しては、言い方や書き方に注意が必要です。自動車整備士は、安全への配慮が重要な仕事です。求人を行っている企業にもよるものの、仕事のスピードのみのアピールは、短気でせっかちという印象を与え、マイナスの評価につながる可能性があります。仕事の速さをアピールする場合は、丁寧で慎重な作業を心掛けていることもアピールしましょう。

自己PRが何もない・書き方がわからないというときは

「自己PRが何もない」「書き方がわからない」などの状況に陥っているときは、自分に自信がなかったり難しく考えすぎていたりします。もしくは、特別なエピソードが必要だと考えているケースもあります。
上記のような考えに陥っている方は、以下の内容を参考にしてみてください。

家族や友人に、自身の強みを聞いてみる

周囲の人に聞いてみると、客観的な意見をもらえます。自分に対して気をつかわない人に聞くことで、率直な意見を聞けるでしょう。

企業が求める人材像を明確にする

自身を振り返ることから考えるのではなく、企業が求める人物像を把握し、それに自身が合わせていくアプローチ方法です。企業が求める人物像を意識せずやみくもに自己PRを考えても、企業側に響かない可能性があります。

そのため、どのように自己PRを書いてよいのかわからないときは、企業が求める人物像を明確にし、それに沿ってアピールすることがポイントです。

転職エージェントに相談してみる

「自己PRが何もない」「書き方がわからない」場合は、転職エージェントに相談することもオススメです。転職エージェントは多くの求職者と接しているため、一人ひとりに合わせたアピールポイントを見つけることが得意です。

自身がまだ把握していない自分の強みについてもアドバイスをもらえる可能性が高いので、自己PRが書けずに困っているときには心強い存在です。ただし、そうはいっても自身である程度の準備は必要なので、自身としっかり向き合ったうえで転職エージェントに相談しましょう。

まとめ

本記事では、整備士の自己PRの書き方をご紹介しました。自己PRは、自身の強みを企業にアピールするので、わかりやすく明確に書く必要があります。そのため、うまく書けずに困ってしまう方は少なくありません。

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