職歴が少ない場合の履歴書の書き方とは?作成する際のポイントを解説

履歴書に書く職歴が少ないことに不安を感じるという悩みが、転職活動中の自動車整備士の方々から寄せられることがあります。職歴が少ないことは、採用担当者にどのような印象を持たれやすいのでしょうか?また、職歴が少ない場合は履歴書の職歴欄をどのように書くべきなのでしょうか?

今回は、記入する職歴が少ない場合の履歴書の作成方法や注意すべきポイントについて解説します。

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職歴の少なさはマイナス評価になる?職歴欄で伝えるべき内容

基本的に履歴書に記載された職歴が少ないというだけで、採用担当者の評価が悪くなることはありません。履歴書の職歴欄から採用担当者が探ろうとするのは、これまで応募者がどのような経験を重ね、現在に至ったのかという点です。

職歴の数ではなく、どのような職務経験を積み重ねてきたのか、どのようなスキルや知識を有しているのかが重要になります。

たとえば、ひとつの企業に長期間勤務している場合、職歴の数はひとつだけですが、応募先企業にアピールできる経験やスキルなどは豊富にあるはずです。職歴が少ないだけでなく勤務年数も短い場合も、その職場で担当した業務によっては、プラスに評価されることもあります。職歴が正社員ではなく、アルバイトだけの場合などにも、同じことがいえます。

職歴が少なければ、その職場で担当した業務についても、簡潔に履歴書に記すようにしましょう。また、その業務に取り組むことで得た経験やスキルについては、職務経歴書に詳しく記載すべきです。

自身のアピールポイントを応募先企業に理解してもらえるように、できるだけ正確で具体的な情報を伝えることが重要です。

履歴書の職歴欄を書く際の基本ルール4つ

履歴書の職歴欄を書く際に留意すべき、基本的な4つのルールを確認します。

  • ルール1. すべての職歴を正確に書く
  • ルール2. 雇用形態・所属部署を記載する
  • ルール3. 社名が変更になった場合は新旧の社名を併記
  • ルール4. 職歴の最後に「現在に至る」「以上」と記入する

1. すべての職歴を正確に書く

職歴欄には、これまでのすべての職歴と入社・退社年月を記入します。勤務した期間が短い場合も、省略せずに正確に書く必要があります。

職歴の勤務先や在籍期間が実際と異なっていることが発覚すると「職歴詐称」とみなされ、内定取り消しなどの対象になる可能性があるため注意が必要です。記入漏れや書き間違いなどがないよう、履歴書の提出前に慎重に確認しましょう。

また、職歴の会社名は必ず正式名称で記入します。(株)や(有)といった略称は使用せずに「株式会社」「有限会社」と書きます。

2. 雇用形態・所属部署を記載する

正社員以外の職歴については、契約社員やアルバイト、パートといった雇用形態を記載します。

派遣社員としての職歴がある場合は、まず派遣元の企業名を記載します。続いて派遣先で働き始めた年月と契約期間終了などで退職した年月を、それぞれ1行で記す書き方が一般的です。「○○(派遣会社名)より××(派遣先企業名)に派遣」のように、派遣元と派遣先を1行にまとめて書くことも可能です。
また、配属先や所属部署も正式名称で書きます。在職中に異動や昇格があった場合は、年月とともに記入します。

3. 社名が変更になった場合は新旧の社名を併記

職歴に記載する企業の社名が変更になっている場合は「〇〇株式会社(現△△株式会社)」といった書き方で、新旧の会社名を併記します。
在籍期間中に社名が変更された場合は、社名変更の年月も記載します。

4. 職歴の最後に「現在に至る」「以上」と記入する

職歴欄の最終行に「現在に至る」と書き、その1行下に右詰めで「以上」と記入します。

職歴が少ない場合の履歴書作成ポイント3つ

記載する職歴が少ない場合に効果的な、履歴書作成の3つのポイントについて説明します。

  • ポイント1. 勤務期間が長い職歴では異動や昇進、担当業務を時系列に沿って書く
  • ポイント2. 短期の職歴やアルバイト経験をすべて記入する
  • ポイント3. 担当業務の内容を具体的に説明する

ポイント1. 勤務期間が長い職歴では異動や昇進、担当業務を時系列に沿って書く

勤務期間が長い職歴では、入社・退社年月だけでなく、その企業に在籍中の異動や昇格、担当業務の変更などを時系列に沿って記入します。
自身が有している経験やスキルを応募先企業にアピールすることを意識して、具体的な情報を盛り込むようにしましょう。

ポイント2. 短期の職歴やアルバイト経験をすべて記入する

職歴欄には、比較的短期間の職歴やアルバイト経験などもすべて記入します。

短い職務経験やアルバイト経験であっても、その仕事で得た経験やスキルを具体的に記入すれば、職歴のアピール度を高めることができます。
学生時代のアルバイトについては、基本的に記載不要です。

ポイント3. 担当業務の内容を具体的に説明する

各職歴で担当した業務内容をできるだけ具体的に書きます。
その業務を通して習得したスキルや知識などについて、職務経歴書に詳しく記載すれば、より効果的です。

職歴が少ない場合のケース別職歴記入例

職歴が少ない場合の基本的な職歴記入例と効果的な記入例を、4つのケース別に紹介します。履歴書作成の参考にしてください。

  • 1社の勤務期間が長い場合
  • 職歴が少なく勤務期間が短い場合
  • 職歴が少なくブランクがある場合
  • 職歴がアルバイト経験のみの場合

1社の勤務期間が長い場合

職歴が1社だけで長期間勤務している場合は、入社・退社だけでなく、配属先・異動先、昇進・昇格、担当業務を時系列順に記入します。応募先企業との関連性が高い業務については、内容を具体的に示す方法も有効です。
その職場で取り組んできた業務の内容を職歴に書くことによって、経験やスキルの豊富さをアピールできます。担当業務の詳細については、職務経歴書に記載しましょう。

■入社・退職だけの記入例

職歴
2014年4月株式会社〇〇 入社
2023年10月株式会社〇〇 一身上の都合により退職
現在に至る
以上

■配属先や担当業務などを加えた記入例

職歴
2014年4月〇〇株式会社 入社
・△△店整備部門に配属
・中古車整備業務全般を担当
2017年4月整備主任に昇格
2019年4月カウンター業務を兼務
・自動車整備業務全般、カウンター業務を担当
2020年12月××店に異動、同店サブマネージャーに昇格
・自動車整備業務全般、カウンター業務、販売促進、スタッフ管理業務などを担当
2023年10月〇〇株式会社 一身上の都合により退職
現在に至る
以上

■具体的な業務内容を加えた記入例

職歴
2014年4月〇〇株式会社 入社
・△△店整備部門に配属
・主な担当業務オイル・タイヤ・消耗品交換電気・電子機器整備定期メンテナンス納車前後の整備業務全般納車前点検
2017年4月整備主任に昇格
2019年4月カウンター業務を兼務
・主な担当業務新規客へのセールス車検登録業務顧客からの問い合わせ対応顧客へのアフターフォロー顧客に対するオイル・タイヤ交換時期のアナウンス
2020年12月××店に異動、同店サブマネージャーに昇格
・主な担当業務整備業務全般整備パーツ仕入れ業務カウンター業務全般車検登録業務顧客からの問い合わせ対応企業・個人宅への訪問営業セールチラシ作成・Web広告出稿などの販促活動店舗スタッフの勤怠管理新入社員の教育・研修
2023年10月〇〇株式会社 一身上の都合により退職
現在に至る
以上

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職歴が少なく勤務期間が短い場合

勤務期間が比較的短い職歴であっても、入社・退社の年月だけでなく、その職場での配属先や担当業務を簡潔に盛り込みましょう。応募先企業と関連する業務については、できるだけ具体的に記入することをおすすめします。

業務を通して得たスキルや知識などの詳細については、職務経歴書に記載します。

■入社・退職だけの記入例

職歴
2021年4月株式会社〇〇 入社
2022年3月株式会社〇〇 一身上の都合により退職
2022年5月株式会社×× 入社
2023年10月株式会社×× 一身上の都合により退職
現在に至る
以上

■配属先や担当業務などを加えた記入例

職歴
2021年4月〇〇株式会社 入社
・△△店整備部門に配属
・自動車整備士のサポート業務全般を担当
2022年3月〇〇株式会社 一身上の都合により退職
2022年5月株式会社×× 入社
・●●店に配属
・中古車整備業務と接客業務を担当
2023年10月株式会社×× 一身上の都合により退職
現在に至る
以上

■具体的な業務内容を加えた記入例

職歴
2021年4月〇〇株式会社 入社
・△△店整備部門に配属
・自動車整備士のサポート業務全般を担当オイル・タイヤ・消耗品交換定期メンテナンス納車前後の整備業務等
2022年3月〇〇株式会社 一身上の都合により退職
2022年5月株式会社×× 入社
・●●店に配属
・中古車整備業務と接客業務を担当オイル・タイヤ・消耗品交換電気・電子機器整備定期メンテナンス納車前後の整備業務全般顧客からの問い合わせ対応カウンター業務全般のサポート
2023年10月株式会社×× 一身上の都合により退職
現在に至る
以上

職歴が少なくブランクがある場合

職歴が少なくブランクがある場合は、空白期間が長くなった理由を記載しましょう。職歴に長期のブランクがあって理由などの記載がない場合、応募先企業の担当者が不安視する可能性があります。数か月程度であれば特に理由の記載は不要ですが、半年以上の空白期間がある場合は、職歴欄に理由を簡潔に記すことをおすすめします。

ここでは、空白期間の記入例を3つ紹介します。

■留学をした場合の記入例

職歴
2016年4月株式会社〇〇 入社
2018年3月株式会社〇〇 一身上の都合により退職
英語学習のためシドニーに1年間留学

空白期間中に留学や資格取得に向けた学習などを行った場合は、活動の具体的な内容や成果を自己PR欄に記入しましょう。

■病気療養をした場合の記入例

職歴
2018年4月株式会社〇〇 入社
2020年3月株式会社〇〇 病気療養のため退職
※現在は完治し、仕事への復帰に何の支障もございません。

病気療養のために空白期間が生じた場合は、現在の健康状態や業務への影響の有無などを記します。

■転職活動が長期化した場合の記入例

職歴
2019年4月株式会社〇〇 入社
2023年3月株式会社〇〇 一身上の都合により退職

転職活動が長引いてしまった場合などは、特に理由を書く必要はありません。志望動機や自己PR欄で、できるだけ経験やスキルをアピールしましょう。

職歴がアルバイト経験のみの場合

職歴がアルバイトだけの場合も、担当した業務を簡潔に記載します。特に応募先企業の業務と関連するものは、できるだけ具体的に書くべきです。

業務を通して得た経験やスキル、知識などの詳細は、職務経歴書に記しましょう。

■入社・退職だけの記入例

職歴
2019年4月株式会社〇〇 入社(アルバイト)
2021年3月株式会社〇〇 一身上の都合により退職
2021年4月株式会社×× 入社(アルバイト)
2022年10月株式会社×× 一身上の都合により退職
2022年12月株式会社●● 入社(アルバイト)
現在に至る
以上

■配属先や担当業務などを加えた記入例

職歴
2019年4月株式会社〇〇 入社(アルバイト)
・△△店に配属
・接客業務、カウンター業務などを担当
2021年3月株式会社〇〇 一身上の都合により退職
2021年4月株式会社×× 入社(アルバイト)
・●●店に配属
・中古車整備業務のサポート、カウンター業務を担当
2022年10月株式会社×× 一身上の都合により退職
2022年12月株式会社▲▲ 入社(アルバイト)
・本社整備部に配属
・自動車整備業務全般のサポートを担当
現在に至る
以上

■具体的な業務内容を加えた記入例

職歴
2019年4月株式会社〇〇 入社(アルバイト)
・△△店に配属
・主な担当業務接客業務(カー用品、カーアクセサリー、日用雑貨などの販売)カウンター業務商品の搬出・搬入業務
2021年3月株式会社〇〇 一身上の都合により退職
2021年4月株式会社×× 入社(アルバイト)
・●●店に配属
・主な担当業務オイル・タイヤ・消耗品交換業務のサポートカウンター業務
2022年10月株式会社×× 一身上の都合により退職
2022年12月株式会社▲▲ 入社(アルバイト)
・本社整備部に配属
・主な担当業務オイル・タイヤ・消耗品交換、電気・電子機器整備、定期メンテナンス、納車前後の整備業務、納車前点検など自動車整備業務全般のサポート
現在に至る
以上

履歴書作成の悩みは転職のエキスパートに相談を

履歴書の作成方法に関する悩みが生じた際には、自動車整備士の転職に精通したプロへの相談を検討してみましょう。転職活動の状況や目的に即したアドバイスを受けることができます。

タウ転職は、自動車整備士をはじめとする自動車業界の求人に特化した転職エージェントです。10万社に上る自動車関連企業とのネットワークを活かし、自動車整備士の転職をサポートします。

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まとめ

今回は、履歴書に書く職歴が少ない場合の適切な書き方や注意点を、具体的に説明しました。履歴書の職歴欄を書くうえで最も重要となるのは、これまでの経験を通して得たスキルや知識を正確に伝えることです。ここで取り上げた情報を参考にしていただき、自身のアピールポイントが応募先企業に伝わる履歴書を作成してください。