ディーラー整備士とは?業務内容やメリット・デメリット

自動車ディーラーで整備士が行う業務はどのような内容で、民間整備工場での業務とは異なるのでしょうか?整備士にとって、ディーラーはどのようなメリットが期待できる職場なのでしょうか?

今回は、ディーラー整備士が担当する主な業務や、ディーラーで働くメリット・デメリット、ディーラー整備士になる条件などについて解説します。

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ディーラーとは

ディーラーとは、商品の販売を行う業者やメーカー特約販売店を意味する言葉です。自動車業界においては、国内外の自動車メーカーやメーカー系の販売会社と特約店契約を結んでいる販売店をディーラーと呼びます。
ディーラーが取り扱うのは、特約店契約を結んだメーカーやブランドの自動車だけです。

ディーラーの中には、新車だけでなく中古車販売も行っている店舗が多数存在します。また、定期点検やメンテナンス、車検、修理、部品交換といった販売後のサービスも実施しています。

ディーラー整備士と民間整備士の違い

ディーラー整備士は、基本的に特約店契約を結んでいるメーカーの車両の整備や点検、車検だけに対応します。そのため、特定のメーカーや車種に特化した専門知識や技術を身につけたい整備士に適した職場です。

一方、民間整備工場ではメーカーを問わず、さまざまな車種の整備・点検に幅広く対応します。板金塗装や顧客対応を担当することもあります。比較的、小規模な工場では整備士が営業や受付、納車といった業務を行うケースも珍しくありません。

また、休日に関しては、ディーラーは基本的に平日が定休日で、土日・祝日は勤務することになります。逆に民間整備工場は土日に休みを取るケースが多く見られます。

ディーラー整備士の主な仕事内容

ディーラーで働く整備士が担当する5つの主要業務について説明します。

  • 業務1.車両点検
  • 業務2.部品交換・オプションパーツ取り付け
  • 業務3.車両修理
  • 業務4.車両整備・メンテナンス
  • 業務5.顧客対応

1. 車両点検

ディーラーでは、自動車を購入した顧客へのアフターサービスとして、販売後の定期無料点検や車検を実施しています。
こうした車両点検、および納車前の点検は、ディーラーでの整備業務のメインとなるものです。販売時に点検スケジュールの概要が決められ、その予定に沿って点検業務を行っていくことになります。

2. 部品交換・オプションパーツ取り付け

エンジンオイルやバッテリーの交換に加えて、エンジンやトランスミッションの交換などを行うケースもあります。
また、車両販売時や販売後に行うカーナビなどのオプションパーツの取り付け作業も、ディーラー整備士の重要な業務の一つです。

3. 車両修理

故障や事故などが生じた際には、分解を伴う重整備を含めた車両修理を行います。
ディーラーの整備工場には、取り扱う車種の交換・修理に必要な設備や機器などが取り揃えられており、急な故障やトラブルへの対応も可能です。

4. 車両整備・メンテナンス

販売した車両の安全性や快適性を維持するために、定期的に整備・メンテナンスを行い、修理や交換が必要なパーツの有無を確認します。
近年の自動車品質の向上によって、重大な故障は減少傾向にあり、ディーラー整備士が重整備を行うケースは少なくなっています。

5. 顧客対応

実施した点検や修理内容の説明、車両に関する各種問い合わせへの回答といった顧客対応も、ディーラー整備士の重要な業務です。
また、販売後の自動車に故障やトラブルといった不測の事態が生じた際には、できる限り迅速に対応する必要があります。

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ディーラーで整備士として働く5つのメリット

整備士がディーラーで働くことによって期待される、5つのメリットを解説します。

  • メリット1.給与水準が高い
  • メリット2.評価制度が整備されている企業が多い
  • メリット3.最新の整備スキルを習得しやすい
  • メリット4.スキルアップのための教育・研修制度が豊富
  • メリット5.福利厚生が充実している

1. 給与水準が高い

一般社団法人日本自動車整備振興会連合会の最新調査によると、ディーラーで働く整備士の平均年収は、約480万円です。

ディーラー整備士の平均年収は、整備士全体の平均年収よりも約76万円高くなっています。民間整備工場で働く整備士と比べると、約110万円高い年収水準です。

2. 評価制度が整備されている企業が多い

大手メーカー系ディーラーは、社員の昇給・昇進の判断基準となる評価制度を有しています。業務の経験や実績、仕事に取り組む姿勢などが収入に反映されやすい環境だといえるでしょう。

3. 最新の整備スキルを習得しやすい

大手メーカー系ディーラーでは、ハイブリッド車や電気自動車、自動制御システムなどに関する最新知識を得る機会が豊富に用意されています。充実した工場設備や機器を活用しながら、最先端の整備スキルを習得できます。

次世代カーや最新の制御システムの整備業務に携わりたいと考えている整備士にとって、ディーラーは最適な職場です。

4. スキルアップのための教育・研修制度が豊富

多くのディーラーでは、整備士の知識やスキルを高めるための教育・研修制度や、独自の資格・検定制度を設けています。こうした制度を活かし、着実に整備士としてのスキルアップを図ることが可能です。

5. 福利厚生が充実している

多くのディーラーは、有給休暇や各種社会保険、住宅手当、退職金といった充実度の高い福利厚生制度を有しています。社員の満足度向上や健康維持に積極的に取り組んでいる企業が多いことは、ディーラーの魅力の一つです。

ディーラーで整備士として働く際に注意すべき3つのデメリット

ディーラーで整備士として働く際に注意すべき、3つのデメリットについて説明します。

  • デメリット1.土日や祝日に休みを取りにくい
  • デメリット2.店舗の異動を命じられるケースがある
  • デメリット3.取り扱う車種が限定される

1. 土日や祝日に休みを取りにくい

ディーラーでは通常、土日や祝日は営業日とされています。週末や祝日には来店者が集中しやすく、販売促進のためのイベントなどの開催が多いのが理由です。整備スタッフも土日や祝日が休みになることは、基本的にありません。

有給休暇を使って休むことはもちろん可能ですが、上司や同僚のことを考えると、多忙な土日や祝日に休みを取りづらいと感じる人も少なくないでしょう。

ディーラーに勤務する場合は、家族や友人と一緒に休日を過ごしにくくなることは、理解しておく必要があります。

2. 店舗の異動を命じられるケースがある

ディーラーの多くは、同一の都道府県内に複数店舗を設けて営業を行っています。それぞれの店舗のスタッフ数はある程度決まっているため、入社時に自宅の最寄り店舗に配属されるとは限りません。

また、何らかの理由で他店舗に欠員が出た場合などは、店舗の異動を命じられるケースがあります。

同じディーラーでも、店舗によって職場の雰囲気や同僚とコミュニケーションを取る方法などが異なります。そのため異動によって、仕事に対するモチベーションが低下したり、職場の対人関係に関する悩みを抱えるといったケースも考えられるでしょう。

3. 取り扱う車種が限定される

ディーラーでは、販売契約を結んでいるメーカー・ブランドの車両整備だけを行うため、対応する車種が限定されます。特定メーカーだけでなく、幅広い車種の整備スキルを身につけたいと考える整備士には、ディーラーはマッチしないと考えるべきです。

逆に特定車種の整備スキルを習得したい整備士にとっては、希望する車種を取り扱うディーラーは、理想的な職場だといえるでしょう。

ディーラー整備士になるには?

ディーラーで整備士として働くには、自動車整備士の資格を取得することが基本条件となります。ディーラーが無資格で応募できる整備スタッフの求人を出すことは非常に少ないため、整備士資格の取得が必要不可欠だといえるでしょう。

整備士資格の取得を目指す場合は、自動車整備士専門学校での資格取得がおすすめです。専門学校で整備士養成課程を修了すれば、実務経験無しで整備士試験を受験でき、課程修了後2年間は実技試験が免除されます。

整備工場などで実務経験を積みながら資格取得を目指す方法もあります。資格の種類によって受験資格や必要な経験年数は異なるので、注意が必要です。

ディーラーへの転職の相談は整備士転職に特化したエージェントへ

ディーラーへの転職を検討する際には、整備士転職に特化した専門エージェントへの登録をおすすめします。

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まとめ

今回は、ディーラー整備士が担当する業務やディーラーで働くメリット・デメリットなどについて解説しました。ディーラーへの転職を検討する際には、ディーラーと民間整備工場の相違点や、ディーラー整備士の職場環境などを確認することが重要です。本記事で取り上げた情報を参考にして、希望や条件に合致した転職先を選定してください。