アーク溶接の仕事に必要な資格とは?講習の費用や日数、活かせる仕事もご紹介

この記事では、アーク溶接に必要な資格や、資格取得のための講習などについて解説します。また、アーク溶接を活かせる仕事や、その仕事に向いている人の特徴についても解説しているため、転職を考えている方は参考にしてみてください。

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アーク溶接とは?

アーク溶接とは、「アーク」と呼ばれる放電現象を利用して金属同士に熱を加えて溶かし、つなぎ合わせる溶接方法のことです。

一般的な金属の融点は約1,500〜2,800度ですが、アーク放電では約5,000〜20,000度の温度に達します。 このとき、金属が空気に触れたままの状態でアーク溶接をすると、溶接不良を起こす可能性があるため、シールドガスというガスを使って接合部を空気から遮断します。

アーク溶接の種類

アーク溶接には、使用する電極の違いにより「消耗電極式溶接」と「非消耗電極式溶接」の2種類に分けられます。また、この2種類のなかでも電極の素材やシートガスの種類などによりさらに細かく分けられています。

消耗電極式溶接の主な種類は下記の3つです。

  • 被覆アーク溶接・・・シールドガスを使用しない
  • マグ溶接・ミグ溶接・・・シールドガスとして炭酸ガスや不活性ガスを使用
  • エレクトロガスアーク溶接・・・造船業や建築業での鉄骨溶接に使用

非消耗電極式溶接の主な種類は下記の2つです。

  • ティグ溶接・・・不活性シールドガスを使用、火花が飛び散らない
  • プラズマ溶接・・・火花が飛び散らない、ティグ溶接よりもコストが抑えられる

アーク溶接に資格は必要?

アーク溶接は危険を伴う作業のため、有資格者でなければ携われないように法律で定められています。資格を取るためには「アーク溶接等特別教育」という講習の受講が必要で、講習を修了すると作業員としての資格がもらえます。

アーク溶接等特別教育は、作業員を目指す人のための講習です。アーク溶接は、労働安全衛生法と労働安全衛生規則で定められた「危険または有害な業務」に該当するため、この講習を受講しなければなりません。

アーク溶接作業者の資格の取り方

資格を取るために必要となる「アーク溶接等特別教育」の受講条件や申請方法、試験概要について解説します。

アーク溶接等特別教育の受講条件と申請方法

アーク溶接作業者の資格は、18歳以上であれば誰でも特別教育講習を受講し、取得できます。
特別教育講習は、社団法人や技術系の専門学校などさまざまな団体で開催されており、各都道府県に受講センターや会場などが設置されているため、行きやすい会場を見つけましょう。

申請方法は、主催している期間によって異なります。多くの機関では電話やファックスなどを使用しますが、インターネットでの申請が可能なところもあります。
申請が完了すると後日、受講票が送られてくるため、失くさないようにしましょう。

アーク溶接作業者の試験概要

特別教育講習では学科と実技の2つがあり、通常はセットで受講します。ただし、受講した会場で実技が実施されていない場合は、別のタイミングで実技を受ける必要があります。
特別教育講習の費用・時間などは以下の通りです。

受講費用(テキスト代も含む)10,000円~25,000円
学科11時間
実技10時間
日数(学科・実技)3日程度

アーク溶接作業者の講習の費用は受講料とテキスト代も含めて、10,000~25,000円程度です。金額に差があるのは、受講機関やコースなどによって講習の内容が異なるためです。

また講習は学科で11時間、実技は10時間受講すると修了できます。日数にすると、学科のみで1日半、学科と実技の場合は3日間程度です。ただし、この日数も一律ではありません。機関によってばらつきがあるので、事前に確認するとよいでしょう。

学科は合格したけれど実技で落ちてしまった場合は、定められた期間内であれば実技のみの再受験ができます。

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アーク溶接を活かせる仕事

アーク溶接を活かせる仕事は幅広くあり、ここでは下記の4つについて紹介します。

  • 自動車メーカー・整備工場
  • 造船業
  • 土木作業や工務店などの建設業
  • 鉄工所

自動車メーカー・整備工場

自動車メーカーや整備工場では、車の部品を加工したり、修理したりします。車の部品を加工する際は、素材から切り出し、形を曲げたあとにアーク溶接を行うため、アーク溶接の技術や資格が必要です。

造船業

銅製の船を製造する際にはアーク溶接を行う工程が多くあります。溶接する材料は大きくて重いものがほとんどのため、サイズが数百メートルにわたるものを溶接することもあります。

土木作業や工務店などの建設業

建設業では、建物に合わせて鉄筋を組み立てる際にアーク溶接の技術が必要です。
また、企業によっては「建設事業主等に対する助成金」という国から経費の一部が助成される制度を利用している可能性があります。その場合、アーク溶接作業者の資格取得のための費用の自己負担が軽減されるかもしれません。

鉄工所

鉄工所では鉄製の家具から航空機、産業ロボットなどさまざまな鉄製品の溶接加工を行っています。アーク溶接作業者の資格を取得していれば、大手企業や中小企業の工場などさまざまな仕事で即戦力として活躍できるでしょう。

アーク溶接を活用した仕事に向いている人

アーク溶接を活用した仕事に向いている人の主な特徴は、下記の3つです。

  • 集中力がある
  • スキルを高めることが好き
  • 体力に自信がある

アーク溶接は高温の機器を使用して行う作業のため、作業方法でミスをすると大怪我をする可能性があります。気の緩みが怪我や事故の原因になるため、現場では常に高い集中力が求められます。

また、アーク溶接はスキルの高さによって仕上がりに差が生まれるという特徴があります。スキルのレベルが高ければ高いほど、仕上がりのキレイさが如実に現れるので、スキルを高めることが好きな人は、アーク溶接を活用した仕事に向いているといえるでしょう。

加えて、アーク溶接の作業は基本的に立ち仕事のため、溶接する部分によっては長時間中腰での作業が求められることもあります。このように体力仕事という一面があるため、体力に自信がある人は向いているといえます。

まとめ

今回はアーク溶接の仕事に必要な資格や講習、活かせる仕事などを解説しました。

アーク溶接の仕事を行うには、アーク溶接等特別教育の講習を修了する必要がありますが、資格を取得すれば自動車メーカーや自動車整備工場、造船業、建設業など、様々な場所で活躍できるため、興味のある方はぜひアーク溶接作業者を目指してみてください。

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